アメリカ人の食生活を大バッシング!!

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今回は、主観でアメリカ人の食生活を大バッシングする。「そんなにアメリカの悪口をまくしたてて・・・」と性格を疑われることも覚悟の上だ。

まずは統計から。60% ―― これはアメリカにおける体重超過の成人の割合だ。10人中6人が基準の体重を超えていることになり、うち27%(約5000 万人)が「肥満」とされている。今年に入って、体重に関するニュースが良く流れるようになったと思っていたが、昨年12月に連邦政府が公式な統計を発表したためであった。

飛行機に乗って、となりに太っている人が座るとはっきり言って嬉しくない。映画館や球場などでも同じだ。しかも、アメリカ人の「太っている」は日本とケタが違う。私はそういう状況になることが多く、いつも運がないのかと思っていた。しかし、この数字を聞いたとき、これは単なる私の運ではなく、全くの必然だったことに気づかされた。アメリカは自分たちを「ファット・ネーション」(肥満大国)と呼び始めている。肥満の原因は、当然ライフスタイル全般なのだが、私には特に食生活のひどさが目に付いて仕方ない。

食事は空腹を満たすものと考えているアメリカ人がいまだに多い。だから質より量で、味や栄養などにはあまり注意を払わないし、毎日の献立はバランスを考えた食事内容からほど遠い。そして食べるのが早い。食事はすべてファストフード感覚なのだろうか。スーパーで一番幅をきかせているのは冷凍食品のコーナーだ。そしてそこが一番混んでいる。恐ろしいのは、老夫婦までが冷凍食品のパックを山のように買っていくことだ。冷凍食品の消費には、年齢や性別関係なしといったところだろうか。いつもスーパーのレジに並んでいる時、ほかの人がどんなものを買っているかチェックしているが、食生活のひどさを裏付けるよう な買い物をしている人ばかりで、「この材料で一体何を作るんだろう」と感心するような人を見たのは、在米7年間で4回くらいだ。

夫婦共働きの多いアメリカでは、料理も面倒臭い家事のひとつに過ぎない。なるべく安く手軽に済ませることが重要なのであり、毎日の食事が自分や家族の健康、 そして将来を左右するという考え方にはなかなか至らないようだ。主婦でも「私、料理はできません(やりません)」とはっきり言う人がいる。一方で、近年の健康ブームで食事に気を使う人も増えてはいるが、1)偏っている人や、2)勘違いしている人がやたら多い。1)はベジタリアンや健康食品狂いに代表される。確かに痩せている人もいるが、栄養のバランスが悪いせいか、肌ががさがさだったりする。2)は例えば、「日本食はヘルシー」と信じ込んで、コーラをがぶ飲みしながら天ぷらやとんかつを食べまくっている人だ。栄養に関する基礎的な知識がないまま、どこかで聞いてきた情報を間に受けているのだ。

アメリカでもカリスマ主婦と呼ばれる人がいる。最近、日本にも進出を果たしたマーサ・ステュワートだ。彼女は自分のテレビ番組や雑誌、ウェブサイトなどを 持ち、家庭生活向上のノウハウや、家族の価値などについて消費者に発信しているが、自身はとっくの昔に離婚している。また料理番組では、毎回いろいろなゲストを迎えてその人たちに作らせ、自分は横で手伝っているだけだ。包丁の使い方も、危なっかしくて見ていられない。アルバイトでモデルをしていたほどの美貌を持ち、投資ブローカーとしてのキャリアを積んでいた彼女は、「マーサ・ステュワート帝国」のトップに立つビジネスウーマンなのであり、カリスマ主婦としてのイメージを売っているに過ぎない。彼女はアメリカで最も稼ぐ女性の1人として知られている。つまり、アメリカのスーパー主婦は、実は金儲けのために 主婦を演じている胡散臭い存在なのだ。イムクローン社株のインサイダー取引疑惑が発覚したマーサだが、もしそれが本当でも、ニューヨークの社交界で華やかな(凡そ一般の主婦とはかけ離れた)生活を送っているのだから、ちっとも不思議ではない。

アメリカで出版されている料理の本を見たことがあるだろうか。それは大きく、部厚く、値段も最低3000円くらいするシロモノだ。写真の質は最高級、世界の一流食器を使い、超豪華なキッチンが背景に写っていたりと、とにかくプレゼンテーションがすごい。さながら美術品の写真集といったところだ。ところが、 肝心のレシピの部分には詳細な説明がなく、下ごしらえはほとんど省略されている。日本の料理本は、各手順に写真がついているうえ、小さなコツなんかも書いてあって、本当に料理をしたい人向けに作られていることが分かる。例えば、スパゲティひとつ取っても、まず種類や選び方、保存方法の説明があり、「ゆで湯はたっぷり。塩は水2リットルに大さじ2/3が目安。ゆでる前に両手で持ってねじってから、放射状に一気に開くように鍋に入れる」と、懇切丁寧な指導がある。ところが、アメリカの本は「パスタをゆでる」の一言で終わっている。一度、日本の料理本をアメリカの奥様に見せたことがあるが、その内容の濃さに感激して、「お金を払うから、この本を全部翻訳してくれないかしら?」と懇願したほどだ。

まだある。アメリカ人はキッチンや台所用品、食器などに相当お金をかける。家を買う時はキッチンの広さや間取りが優先項目になるし(これは日米同じか…)、リフォームといえばまずキッチンからだ。ブランド品の鍋や食器を持っている家庭が多く、ナイフやフォークは本物の銀製を結婚する時に贈られる。日本人にはまるで夢のような、高級品揃いの広くて豪華なキッチンを持っていながら、アメリカの奥様は料理をしない。そう、キッチンはインテリアの一部であり、他人に見せびらかす「虚栄」に過ぎない。料理本が居間に並ぶ美しい写真集であるのと同じだ。これを知ったら、「宝の持ち腐れ」と日本の奥様は怒り狂うだろう。4畳半がせいぜいのキッチンで、彼女たちは漬物からステーキ、イカの塩辛からイタリアンまで、なんでも作ってしまう。それに比べて、アメリカはなんと罰当たりなことだろう。

世界一豊かで教育水準の高い国とされていながら、アメリカ人の食生活に対する関心と知識は、とても先進国のそれとは思えない。厳密には、教育のある人とない人、所得のある人とない人との間で格差があり過ぎるということなのだが。アメリカの公立校では、「家庭科」のような授業がほとんど存在しない。教育現場 はどこも財政難なため、主要科目以外はどんどん削られてしまう。昼食もカフェテリアで自分の好きなものを取ってきて食 べるだけだから、栄養士さんが考えてくれた献立を「三角食べ」することもない。つまり、食生活に関しては、家庭が唯一の教育現場となる。しかし、親がまず食生活への気遣いがないのだから、教育のしようがない。子供もまた、食生活に関する知識や関心を養わないまま、大人になってしまうのだ。

さて、長々とアメリカの悪口を綴ったが、その理由は日本人の恵まれた環境(キッチンの広さを除く)を改めて考えて欲しいからにほかならない。日本には長い歴史の中で育まれた誇るべき食文化がある。そして、季節や地域ごとに豊かな自然が与えてくれるさまざまな収穫物がある。食生活について学校で教育できる体制がある。あらゆる食材が揃っている。そして何と言っても、日本人は「つくること」に努力を惜しまない国民だ。アメリカ的合理主義のフードビジネスに流されて、この恵まれた環境に背を向ける理由はどこにもない。在米日本人としての羨望も半分あるが、本当の「宝」を大切にして欲しいと心底思うのである。

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