英語の上達法

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ジャーナルの本来の趣旨とは少し違うが、今回は英語学習についてずっと前から考えていたことを書いてみたい。

自慢話をするつもりは毛頭ないが、私はよく「あなたは英語が上手ですね」と言われる。カリフォルニアでネイティブにそう言われる背景にはいくつか理由がある。まず、この土地には英語を母国語としない移民が世界中からやってきて暮らしているということ。教育レベルがあまりにも異なる移民たちの中で、英語を一言も話せない人もたくさんいる。ここではそれでも生活できてしまうのだ。

そして、その誉め言葉には「日本人にしては」という意味も含まれているように思える。私の知人にクロアチア人がいる。彼女の母国語ももちろん英語ではないが、誰も彼女に「英語が上手い」などとは言わない。日本人はよく、文法や単語の勉強ばかりして会話が下手と言われるが、世界中の人が集まるロサンゼルスで比較してみるとそれが科学的に証明される。アメリカ人もそういう印象を持っているから、「話下手な国民にしては上手い」と思うのだろう。

では、英語はどうやったら上達するのか?何をもって「上達」とするかは個人によって違うと思うが、意思疎通ということなら、自分の体験から3つのヒントを伝授したい。

まず、英語は日本語とは異なる言語であるということを認識する。当たり前のことだが、これがとても難しい。日本人はまず日本語で考えてそれを英訳しようとするから、言葉が出てくるまでに時間がかかるし、意味の通じない英語になってしまう。でも、日本語にしかない表現や言葉だってたくさんある。それを英語にしようとすること自体に無理があるのだ。だから、「日本語の英訳」を話すのではなくて、「英語」を話すことに慣れる必要がある。訳さない。これは大事なことだ。どうやったら訳さないで話せるか。それは英語で考えて話す訓練をするしかない。

次に、映画やテレビを観ること。それも同じものを何回も何十回も。以前のジャーナルで私がコメディの大ファンであることを書いたが、私の場合はサタデー・ ナイト・ライブだった。最新の番組はビデオに撮って気が済むまで観て、さらに再放送も観ているから、90年代以降の番組はどれも10回以上は観ている。そうなると、コントのセリフが口をついて出てくる。これがそのまま会話に使えてしまうのだ。以前、英語が異様に流暢なイタリア人がいて(イタリア人も英語が結構下手)、英語の教育を受けたのかと思ったらそうではなく、母国ではずっと映画館で働いていたとのこと。1つのハリウッド映画を1日に最低3回、2ヵ月くらい観て(聞いて)いるうちに、セリフだけでなく、役者の話し方や感情表現までも記憶してしまったそうだ。忘れられなくなるまで覚えると、それを応用して不思議なくらい自然と話せるようになってしまうのだ。

そして、バカになれるかどうか。私は「日本人男性は英語が上手くなるはずがない」といつも言っている。それはカッコつけているから。間違えたらカッコ悪い、間違えるくらいなら話さないほうがマシ、という変なプライドが高すぎる。でも、この国では喋らないでグズグズしているほうがよっぽどカッコ悪いことくらい知っているだろう。間違っても気にしないとか、間違いもジョークにできるようなバカのほうが、よっぽど上達が早い。女はそんなプライドは薄いから、 あっという間に上手くなってネイティブの人ともどんどん話せるようになる。相手が理解しているしていないにかかわらず、ものすごい勢いで喋るベトナム人とか、分からない単語はスペイン語にしてごまかすメキシコ人とか、みんな完璧じゃない。でも、喋らない日本人男性よりはよっぽどいい。

以上は、これまでの在米生活の中で身を持って学んだこと。以下は、英語について最近考えること。

日本人はよく発音を気にする。アクセントのない英語を話そうと努力するが、実はアクセントも魅力になることに気付いて欲しい。例えば、アメリカ人はいつまでたってもブリティッシュ・イングリッシュに憧れているし、フランス人の話す英語を「セクシー」だと思っている。英語は世界中で話されている言語なのだから、いろいろなアクセントがあって当たり前。それを隠そうと努力する必要などないと思うのだ。それよりも、アクセントを自分の個性として活かし、上手にコミュニケーションできる術を学ぶほうがよっぽど実用的ではないだろうか。私だってアクセントはすごくある。でも、英語が上手だと思われるのは、コミュニケーション方法を知っているからに過ぎない。もう「語学」を学ぶ時代なんてとっくに終わっているのではないだろうか?

なんだかあまりまとまらない内容だが、日本の英語学習に対して納得できない思いをずっと抱いていて、それがかなり累積してしまったのだ。日本人が英語学習に取りつかれてから随分経つ。もうそろそろ、英語に対するコンプレックスと勘違いから開放されてもいいのではないだろうか。

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