アメリカ洋服事情

Pocket
LINEで送る

今日は我々在米日本人が日常的に悩まされるアメリカでの洋服選びについて少し話をしたい。

日本人がアメリカで洋服を買おうとすると、かなりの努力か妥協が必要となる。理由は当然、サイズを見つけるのが困難だからである。女性はブランドやデザインで服を選ぶことが多いが、ショッピングの最中に「これいい!」という商品にめぐり逢えても、自分に合うサイズが見つかる確率は、カッコイイ男性に恋人がいないのと同じくらい低い。逆に、サイズが合っている商品はなぜか気に入らないデザインばかり。そういう状況の中で、辛抱強く服を探していかなければなら ない。

ちなみに私は、それほど痩せているわけでも、小さいわけでもない。日本では9号、Mサイズという典型的な標準層で、サイズで苦労したことは全くと言っていいほどない。ところがアメリカでは、サイズ「0(オーではありません、ゼロです!)」または「P2」(PはPetiteの意でレギュラーよりも小振りにできている)に属するのだから、恐ろしくなってしまう。サイズ0・・・つまりもう後がないのだ。私より小さい人はどうするのか・・・それはもう子供服を買ってもらうしかない、ということになる。実際、私もTシャツや短パンといった子供服を買った経験がある。一番フィットしたサイズが12歳児向けだと分かった時、「そうか~、アメリカの基準で私は12歳ほどの発育なのか~」とショックを受けてしまった。

しかし、アメリカに10年も住んでいると、どこで自分のサイズが手に入るのか良く分かってくる。最近は小売店にあまり期待せず、カタログオーダーやオンラインショップに頼ることが多くなった。 カタログオーダーには、サイズを幅広く取り揃えているところが多く、在庫も豊富だ。また、どのデパートのどの店舗はPetiteコーナーが充実しているなども、自然と頭にインプットされてしまった。

女性服のサイズは0から始まり、1、2、3、4・・・とインチ単位(1インチは約2.5㎝)で寸法が大きくなっていく。たいていのメーカーやブランドは、 偶数か奇数どちらかを採用している。0と1にそれほど大きな違いはない。一般的な小売店に置いてあるサイズは4から12だ。Petiteの反対は Extra(X)。2X、4Xのように上がっていく。極端な話、7、9、11号しかない日本に比べて、アメリカ人の体型はなんて多様なんだろうと妙に感心してしまう。

こんなエピソードもある。知人がそれまではいていたリーバイスのジーンズが古くなったので、同じ型番の同じサイズを購入した。全く同じものだから試着しなかったのだが、家に帰ってはいてみたらどうも大きいのである。アメリカ人は日常的に乾燥機を使うので、少し縮むことを見込んで衣類を買うのが習慣だが、たとえ縮んだとしてもまだ余裕のある大きさだったので、サイズを1つ下げたジーンズと交換してもらった。

最近よく言われているのだが、サイズの寸法を大きくしているアパレルメーカーが増えているらしい。たとえば、ラベルが28インチとなっているジーンズで も、実際には29インチあったりする。サイズ「4」と書いてあっても、それは少し前の「6」に等しい寸法かもしれない。なぜこんなことをするのか?もちろん商品を売るためである。要するに消費者の気分を良くさせて売るという戦略だ。最近少しお腹が出てきた中年男性が、若い頃と同じ33インチのサイズのジーンズがはけたら気分がいい。一方、ほかのブランドのジーンズで、35インチでないとはいらなければ、「オレは33インチだ、このブランドはオレをデブ扱いしている」と機嫌を損ねるかもしれない。

つまり、4とかP8、33インチといったサイズの基準はほとんど形骸化してきて、それぞれのメーカーが勝手に寸法を決めるようになっているのである。アメリカ人が大きくなるにつれて、サイズの寸法も着実に大きくなっているということだろうか。だとしたら、あまりにも恐ろしい。0というサイズにあぐらをかいている私も、寸法的にはサイズ2とか4になってしまっているのに、メーカーに騙されて気付かないだけなのだろうか。

こんな状況なので、アメリカでの服選びはますます難しくなっている。試着は必須だし、カタログオーダーの場合は、各社の大きさをある程度理解していないといけない。本当に骨の折れる作業だ。

Pocket
LINEで送る

Comments are closed.