訪問者が見る日本 金融事情編

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今回の帰国で異様に感じたのは消費者金融の存在だ。駅前の一等地には消費者金融の受付窓口がひしめき合い、電車内はその広告で埋まり、テレビには超人気タ レントを起用したコマーシャルが次から次へと流れている。このビジネスが儲かっていることは明らかだ。

では誰がそんなにお金を借りているの?

純粋にそう思わざるを得なくて、いろいろな人に聞いてみた。ほとんどの人から「誰でも」という答えが返ってきた。サラリーマン、OL、主婦、学生、フリー ター、中小企業の経営者、年金生活者など、とにかく誰でも消費者金融からお金を借りる時代なのだという。実際に借りたことがあると言う人も何人かいた。

みんなそんなにお金に困っているのだろうか?それとも、欲しいものや遊びが我慢できないだけ?日本は貯蓄文化、アメリカは消費文化と言われてきたが、そんなのはもう昔の話なのだろうか?日本もこれからは借りてでも消費する時代なのか?

ちなみにアメリカには、こういった金融機関が存在しない。お金がなければクレジットカードで買うだけだ。現金が必要ならクレジットカードでキャッシングする。欲しいものを我慢しないということなら、アメリカ人にかなう国民はいないだろう。最近は、日々の食料やガソリンもクレジットカードで簡単に買えるので、家計がメチャクチャになっている世帯が多いらしい。クレジットカード負債額の世帯平均は約9000ドル(110万円弱)だという。この数字はもちろん、住宅や自動車といった大型のローンとは別だ。国全体の総額はなんと20兆ドル(約2400兆円)というのだから、気が遠くなってくる。

日本の事情も少し調べてみた。負債額の世帯平均は524万円。うち463万円は住宅や土地購入のローンなので、それ以外は61万円ということになる。これには自動車ローンやクレジットカード、消費者金融などすべてが含まれる。車のローンを抱えていれば、100万くらいの負債は当たり前なのだから、わりとまともな家計簿なのではないかと一瞬思った。

しかしちょっと待った。この統計の出所は総務庁が実施している「全国消費実態調査」で、一応「オフィシャルな数字」ということになっているが、調査は無作為に選定された世帯が自主的に協力するという形をとっている。しかし、多額の借金をしている人や借金から逃げ回っている人が、張り切ってこの調査に協力するだろうか?消費者金融やヤミ金融から借りている負債額を正確に記入するだろうか?答えはノー。この統計には健康的な家計簿しか反映されておらず、日本国 民の本当の借金事情は見えてこない。

消費者金融の市場規模は20兆円といわれている。恐ろしいことだが、こちらのほうが正確な数字なのだろう。あれだけ派手な宣伝広告が妙に納得できる。ちなみに全国の総世帯数は4722万。ということは、各世帯が年間42万円の利子を消費者金融に払っている計算になる。

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