国内出張がサイアクな訳

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今週末にジョージ・クルーニー主演の「マイレージ、マイライフ」(原題:Up in the Air)という映画が日本で公開される。皮肉なことに、この映画を日本行きの機内上映で見たのだが、仕事のほとんどが出張で航空会社のマイルを貯めるのが生きがい、という設定の主人公に「いるよな~、こういう人」と妙に納得してしまった。そして、アメリカに帰ってくるフライトで隣りに座ったのが、まさにこれを地で行く人だったというのも笑えた。

アメリカの国内出張といえば、たいてい飛行機での移動。私はこれが大嫌いだ。というのも、アメリカの航空事情が過酷だからである。その主な理由をあげてみよう。

1. 空港の混雑
日本に比べてアメリカの空港の混雑は半端じゃない。いつ行っても人、人、人(しかもデカイ)。そして至る所で長蛇の列。飛行機はほとんどバス代わりだから、ある意味、バスターミナルに行くようなものである。

2. 雑なサービス
日本の空港には一種の優雅な雰囲気ある。港内放送の前にも「ピンポーン」とかチャイムが鳴ったりして。地上職員もきちんとした身なりで丁寧な言葉遣いをする。しかし、そんなことはアメリカの空港ではありえない。リストラを生き残った組合職員の雑なサービスは役所といい勝負である。

3. 常に競争
エコノミークラスの座席を決めない航空会社もあるので、いい席に座りたければ早く空港に行って並ばなければならない。みんな荷物を預けたくないので、機内の荷物棚もすぐに一杯になってしまう。目的地に着いてモタモタしていると、あっという間にレンタカーのカウンターに行列ができて、またそこで長時間並ぶことになる。

4. 乗り継ぎに失敗
これだけ空港があるので国内線も乗継が多いわけだが、失敗すると悲惨な目に遭う。最初の便が遅れて乗継便に間に合わないと、空席のある便が来るのをひたすら待つはめに。その日のうちに乗り継げなくて空港で夜を明かす、なんてことも珍しくない。

5. 予定は未定
西海岸では、フライトの予定が天候に左右されることは少ないが、冬の東海岸や中西部はもうボロボロ。こっちを出たはいいけど、目的地に着陸できなくて隣りの州に降りるなんてことも。ここでもまた空港で一夜を過ごす人が出てくる。

ほかにも機内のサービスが悪いとか、空港の食事がまず過ぎるとか、機内が汚いとか、預けた荷物を平気で失くすとか、言い出せばキリがない。でもなぜ、この映画の主人公はそんなに出張に行きたがるのだろうか?それはマイレージを貯めることで得られるステータスがあるから。上客のステータスを獲得してしまえばアップグレードは日常茶飯事、チェックインカウンターも別、出発までは航空会社のラウンジを利用できるし、ファーストクラスの荷物棚が一杯になることはない。レンタカーですら優先されるし、最近はお金を払えばセキュリティチェックの優先も可能になった。

つまり、あらゆる面でVIP待遇を受けることができるのだ。陸の上では普通の人に過ぎないのに、上空では超VIPというビジネスパーソンがアメリカには多い。彼らはステータスを維持するために可能な限り出張に行きまくり、優遇されることに大きな喜びを感じている。

私も一時期、かなりのマイルを持っていたことがあって、国内線のアップグレードをよく受けていた。それでもやはり、飛行機での移動はサイアクだと思う。マイルを貯めることが生きがいという人は、陸の上でよっぽど悲惨な生活を送っているか、映画の主人公のように陸の上に何もしがらみを持ちたくないか、のどちらかではないだろうか。

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