公と私をしっかり分けろ!

Pocket
LINEで送る

日本の人がアメリカのマクドナルドに来て驚くことの1つに、従業員がユニフォームのまま店内で「まかない」を食べている光景があげられる。日本では、従業員が勤務姿で客に混じって食べるのは基本的にご法度だから、アメリカの開放さというか、あけっぴろげな様子にちょっと引いてしまうようである。

日本ではほかにも、デパートの従業員食堂は別になっているし、多くの飲食店には休憩室がある。よほど小さな、個人経営のお店を除いては、そこで働く人が客席で食べている姿を見ることはないといえる。

ところがアメリカでは、マクドナルドをはじめ、従業員を店内で休憩させる店が多い。私はこれを非常に不愉快に感じる。オフモードに入った従業員が、トラッシュトークに花を咲かせる姿など目撃したくないからだ。そんなのは裏でいくらやってくれても構わないが、客に見せるものではないと思う。

そして、これはアメリカ企業の従業員に対する薄遇とも取れる。これだけたくさん土地があって、これだけ大きな店舗を構えていながら、従業員用の休憩室を設けずに客席で休憩させるというのは、企業が末端で働くスタッフををいかに粗末に扱っているか、ということの象徴だ。日本では、狭い店内の奥に猫の額ほどの休憩室があったり、店舗とは別にマンションを借りていたりする。そんな努力を、アメリカ企業は全くしていないのである。

もう1つ、私が不愉快に感じるのが医療関係者の制服姿だ。こちらではナースがユニフォーム姿のまま外食するのが日常化している。というか、ユニフォーム姿でどこにでも出現するのである。非衛生極まりないと思う。晴天が多いカリフォルニアでは、屋外に席を設けている飲食店も多い。そこで食べている時に鳥の糞が落ちてユニフォームを汚すことだってある。そんな状態で患者を診療している彼らを想像してみて欲しい。

私が知る限り、以前はそんなことはなかった。10年前に街中で白衣を着た医療関係者を見た覚えはない。つまり、従業員がユニフォームで外出することを医療機関が容認するようになったということだ。車社会なので、家でユニフォームを着て出勤させ、ユニフォームを着たまま帰宅させる。その背景にはやはり、雇用側が更衣室をきちんと設けていない実情があると思う。

制服を着るというのはある意味、公の顔を保つための手段であり、任務に就いていることを社会に知らせる手段でもある。公の義務から離れたら制服を脱ぐべきだし、制服を着ている時に私の顔を見せるべきではない、と思う。だが、その混同が今のアメリカでは横行している。企業が営利のために平気でそれをやらせているのだ。しかし、この風潮は決して許されていいものではない。

Pocket
LINEで送る

Comments are closed.